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障害年金とは


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公開日:2020/04/02
  最終更新日:2020/12/15

障害年金不支給の場合でもチャンスは残されている

厚生労働省

障害年金不支給の理由には様々なものがある

精神疾患を抱えた方が障害年金の受給申請を行った場合、状況によっては、年金を支給できないという決定が出るケースがあります。これを、障害年金不支給の状態と言います。
なぜ、せっかく申請した障害年金が不支給という決定になるのでしょうか? 理由は様々なものがありますが、基本的な障害年金不支給の理由を、以下にいくつかお伝えします。

年金の納付要件を満たさないケースは不支給の可能性が高い

障害年金は、そもそも年金制度を利用して支給されているという原則があります。
つまり、保険料を払っていない人に対しては、支払いも行われないということです。
障害年金を受給するには「初診日のある月の前々月までの被保険者期間の2/3以上が保険料納付済みであること」あるいは「初診日のある月の前々月の直近1年に未納がない」という条件があるのです。

一般的に、日本人は20歳以上から、国民年金の納付をしなければならないという義務が生じます。もし、今の段階で29歳であれば、本来は約9年間年金を支払い続けている必要があるのです。しかし、人にはそれぞれ事情がありますから、いくらかの期間は年金が支払えていないというケースもあるでしょう。この部分が、年金の被保険者期間の2/3以上という条件に引っかかってくることがあり得ます。
しかし、もうひとつの要件があります。様々な事情によって、年金の支払いが求められる基準を満たしていない場合でも、初診日のある月の前々月の直近1年間、国民年金の保険料を納付していた場合は、年金の支払いに関する条件はクリアとすることができるのです。

また、例外的に保険料納付の義務がなかった20歳未満に初診日がある場合は、その後の年金納付については問われません。
これについては、障害年金を受給するための3つの要件で図解しています。

この要件を満たしていない場合は、障害年金申請後に、不支給になる可能性が極めて高くなります。
納付要件については、障害年金受給に重要な年金の納付要件で更に詳しく解説しています。

初診日の障害の程度による不支給はチャンスが残る

書類の関係で初診日が特定できなかったり、障害の状態が軽いと判断されて障害年金が不支給になることもあります。
しかし、この結果に疑問が残る場合は、不服として申し立てをすることができます。
ただ、一度決められた結果を覆すには、審査をする側が納得できるような客観的な言い分や情報、書類などの提示が必要となるので、その点を十分に考慮しながら事を進めてください。

障害年金不支給の場合の対処法について

年金不支給の通知が来た場合、上記にご紹介した通り、初診日に関することであったり、障害の程度に対する問題が不支給の理由だと思われるケースにおいては、前向きに考えるチャンスが残されています。
そのためには、どのような手続きをとればいいのか、手続き後どのくらいの期間を経て、どの程度の確率で支給決定に変わる可能性があるのかを知る必要があります。

もし、年金不支給の通知を受け取ったとしても、再チャレンジしたい場合は以下のような方法で対処することが可能です。

審査請求と再審査請求(不服申し立て)

不服申立て
障害年金の不支給が決定された場合、もう一度審査をしてほしいときは地方厚生局内に設置された社会保険審査官に審査請求を行うことができます。
この時に必要なのは、資料の追加提出です。
例えば、障害の程度が軽いと判定された場合は、障害の程度が障害年金を受け取るに値する状態であることを再度書類で訴えていくことになります。
初診日に関して年金機構側と解釈が異なる場合には、医師の意見書を提出する場合などがあります。

また、審査請求を経てもなお、不支給の決定が出た場合は、再審査請求にかけることができます。このケースにおいても、書類を追加提出するなどして、本人が障害年金を受け取るべき状況にあることを示していく流れとなります。

審査請求・再審査請求共に、結論が出るまでは数か月程度の時間がかかります。
なお、審査請求を行うことができるのは、不支給の決定があったことを知った日から翌日からカウントして3か月以内、再審査請求は決定書送付の翌日から起算して2か月以内です。この期限を過ぎてしまうと、審査請求をかけることはできなくなりますので、注意しておきたいところです。

不服申し立てで支給に転じる可能性はおおむね10%

それでは、障害年金の不支給の決定から不服申し立てを行い、そこから障害年金が晴れて支給に転じる可能性は、どれくらいあるのでしょうか?
残念ながら、不服申し立てで支給に転じる可能性は、そこまで高くはありません。おおむね10%程度となります。

訴訟という手段もある

最終的な手段として、裁判所へ訴え出ることができます。
この訴えができるようになるのは、基本的に審査請求後となります。審査請求のあと、再審査請求を経て出訴することも可能です。

ただし、以下の場合は例外的に審査請求の結果を待たずに訴えを起こすことができます。

  1. (1)審査請求があった日から2か月を経過しても審査請求の決定がないとき
  2. (2)決定の執行等による著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき
  3. (3)その他正当な理由があるとき

訴えを起こすことができるのは原則的に6か月以内です。

不服申立ての流れ

なお、この訴訟については社会保険労務士では行うことができませんので、弁護士に依頼することになります。

新しく申請を行う

不服申し立てではなく、そもそもの障害年金の申請を最初からやり直すという再申請も、方向性としては考えられます。
認定日での請求をしていたのであれば、それを諦めて事後重症として請求し直すということです。
認定日の障害状態が認められる見込みが薄いのであれば、早めに切り替えたほうがいいというケースもあります。
このあたりは、ご自身のみでは判断できないでしょうから、社労士などの専門家への相談をおすすめします。

再申請を行うときは、1回目の申請と矛盾がないように書類などを揃える必要があります。
また、再申請の場合は、そもそも障害年金申請の際に提出した診断書の内容や現在の病状と診断書の表記に、大きなズレがないかどうかを再度チェックするのも重要なポイントです。
初回の申請でほぼ「できる」状態だったにも関わらず、間を開けずに次の申請がほぼ「できない」になっていたら、やはり信頼性に欠けてしまいます。
とにかく受給したいからといって、実際の状態からかけ離れたような診断書を提出することは、逆に受給を遠ざけることになります。
少なくとも、障害の程度が原因となって障害年金不支給の決定が出た場合は、整合性の確認が必要不可欠な工程といってよいでしょう。

再申請をする際は、もう一度主治医と相談の上、慎重に進めて行くことが大切です。
また、診断書などの書類を1人で集めることは大変な労力をともないます。その際は、主治医以外にも、医療専門スタッフや社会保険労務士などの力を借りながら対処して行くことも重要です。

再申請の初診日証明の簡略化

令和2年10月から、「同一傷病かつ同一初診日で障害年金を再請求する場合」については、前回の証明書類を再請求時にも初診日証明書類として用いることを希望する旨の申出書を提出することによって、新たに初診日の証明資料を取得する必要がなくなりました。
ただし、前回の請求の際に初診日が認められなかった場合は、この対象となりません

なお、この申出用に日本年金機構に記入書類が用意されています。
前回証明書類を当該再請求時における初診日証明書類として用いることを希望する旨の申出書

  1. ① 過去に障害年金を請求したものの、不支給と決定された者が、症状が悪化した等の理由により、同一傷病かつ同一初診日で障害年金を再請求する場合において、ア及びイのいずれにも該当するときは、前回証明書類(前回請求時に提出された受診状況等証明書、診断書その他これに類する書類をいう。以下同じ。)及びアの申出書をもって、当該再請求時の初診日証明書類(障害の原因となった疾病又は負傷に係る初診日を明らかにすることができる書類をいう。以下同じ。)とすることができるものとすること。
    1. ア 請求者が、当該再請求時において、請求書に添えて、前回証明書類を当該再請求時における初診日証明書類として用いることを希望する旨の申出書を提出してい
      ること。
    2. イ 平成29年度以降に提出され、かつ、アの申出書の提出日から5年以内に提出された初診日証明書類であること。
  2. ② 前回請求時に、請求に係る初診日が疾病又は負傷に係る初診日として認められずに却下された場合については、①の取扱いを行うことはできないものとすること。

厚生労働省 「請求者の負担軽減のための障害年金に係る業務改善等について」

まとめ

障害年金不支給の場合でも、不服申し立てという方法を行うことで、支給決定につながる可能性もあります。また、不支給の決定が出てから改めて、障害年金の申請そのものをやり直す再申請という方法もありますし、そのどちらも同時に行うことも可能です。
いずれの場合でも、障害年金を受け取ることができるチャンスは残されているわけですから、一度の障害年金申請で不支給になってしまった場合でも、決して諦めることはありません。

社会保険労務士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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