共同生活援助(グループホーム)とはどういうもの?

共同生活援助(グループホーム)とは、精神障害や知的障害、身体障害を抱える方が地域社会で共同生活を行う住居のことを言います。
住居の種類は、一軒家の場合やアパート、マンションというケースが多く、定員は原則10名以下です。ただし、条件によっては30人まで認められています。
入居者はそれぞれの個室を持ち、メンバーが自由に集まれるような共同スペースが設けられている間取りになります。
共同生活援助は、障害者総合支援法に制定されている障害福祉サービスのひとつで、訓練等給付に該当します。
障害を持つ方が看護師や介護士などの専門職者から介護や日常生活の支援などを受けながら、過ごすことになります。
また、多くの場合は世話人が駐在しているので、家事のサポートやちょっとした相談をしたいとき、夜間なども安心して生活することが可能です。
共同生活援助(グループホーム)で受けられる支援

- 食事・入浴・排泄などの介助。
- 共同生活における相談
- 就労先や日中活動サービス等との連絡調整
- 社会生活上の援助 など
また、共同生活援助は3つの類型があり、介護サービス包括型、日中サービス支援型、外部サービス利用型に分かれています。
介護サービス包括型
夜間・休日のサービスを主軸としたタイプです。
令和3年2月の時点で、事業所数8,475、利用者数122,220人と、共同生活援助の中ではもっとも多くなっています。
日中サービス支援型
平成30年4月から始まった、比較的新しいタイプです。
障害者の重度化・高齢化に対応するために創設されました。
定員最大5名までの短期入所を併設し、普段は在宅で生活している障害者の緊急一時的な宿泊先としてサービスを提供する役割を担っているのが特徴です。
令和3年2月の時点で、事業所数291、利用者数3,977人となっています。
外部サービス利用型
受けられる支援は基本的に同様ですが、食事・入浴・排せつの介護や日常生活上の援助を、外部の居宅介護事業所に委託しているのが特徴です。
令和3年2月の時点で事業所数1,320、利用者数15,613人となっています。
共同生活援助(グループホーム)の利用について

共同生活援助(グループホーム)の入居対象者
共同生活援助のサービスを利用できるのは、ある程度自分の身の回りの世話ができたり、他人とのコミュニケーションを図ったりできる自立した障害者となります。
ここでいう障害者は、障害の種別や傷病名は関係なく、障害者総合支援法が定義する障害者に該当している方を指します。
この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者、知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条に規定する精神障害者(発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号)第二条第二項に規定する発達障害者を含み、知的障害者福祉法にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるものをいう。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第四条 定義
法律だと難しいので、かんたんに言い換えると、対象となる方は以下のようになります。
- 身体障害者手帳を交付されている方
- 知的障害のある方
- 統合失調症、精神病質、発達障害など、精神疾患を有する方
- 難病があり、障害の程度が一定以上の方
いずれも基本的に利用可能なのは18歳以上の方ですが、必要性が認められれば15歳から利用ができます。
ただし、身体障害者の方に限っては、「18歳以上」以外にも年齢制限が存在するので注意しておきましょう。
身体障害者の方は、65歳未満の方または65歳に達する前日までに他の障害福祉サービスなどを利用したことがある場合に、サービスを受けられる対象となります。
なお、対象者に該当するかどうかの確認方法は、障害の種別によって異なります。身体障害者の場合は身体障害者手帳の提示が必要ですが、知的障害者や精神障害者については、必ずしも手帳の所持が要件とはされていません。
当社でいくつかの自治体に確認したところ、判断は厚生労働省の通知(「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」)に基づいて行われるとのことでした。
具体的には、まず療育手帳の有無で確認し、療育手帳を持っていない場合は、市町村が必要に応じて知的障害者更生相談所(神奈川県の場合は神奈川県総合療育相談センター)に意見を求めたうえで判断する、という流れになっています。
つまり、市町村が独自の基準で判定するのではなく、こうした専門機関の意見をもとに支給決定が行われる仕組みです。
精神障害者についても、精神障害者保健福祉手帳がなくても、自立支援医療(精神通院)受給者証や、精神障害を事由とする年金証書、主治医の診断書(ICD-10コードの記載があるものなど)といった書類によって障害者であることを確認できれば、支給決定の対象になります。
したがって、「入居には障害者手帳が必ず必要」というわけではなく、身体障害者を除いては、手帳がなくても他の確認書類によって入居できる可能性があります。ただし、知的障害者の場合は療育手帳の取得に向けた支援も並行して行われるのが一般的です。
共同生活援助の利用自体は、障害支援区分の認定がなくても可能です(日中サービス支援型を除く)。ただし、施設によっては入居審査の過程で障害支援区分の認定を求められる場合がありますので、あらかじめ利用したい施設に確認しておくと安心です。
また、施設ごとに利用可能な障害支援区分が異なりますので、この点もあわせてご注意ください。「60歳以下」など、年齢制限が設定されている施設もあります。
共同生活援助のサービスを利用するための手順

共同生活援助のサービスを利用できる対象者であっても、希望したら即入居できるわけではありません。新しい生活を始めるためには、サービスの申し込みから審査、入居許可に至るまでの手順を踏む必要があります。
- 情報収集
- サービスを受けたい場合は、まずグループホームの情報を収集し、入居したいグループホームの目星をつけることが重要です。
主治医がいる場合は、相談しながら決めても良いですし、最寄りの市役所などに尋ねながら進めても構いません。 - 見学・説明
- また、事前見学ができるホームがあれば、イメージ上のズレを減らすために積極的に訪ねてみることをおすすめします。
- 障害支援区分判定
- 入居したいホームが決まったら、サービスの利用を開始するために市町村より障害支援区分などの判定をしてもらう必要がありますので、申し込みを行いましょう。
- 入居審査
- 無事に支援区分が決まれば、希望のグループホームが入居審査をし、それに通過すれば利用契約を行います。
- 利用開始
- 以上の手順を経て、入居開始となります。
共同生活援助サービスの利用料金(負担費用)
共同生活援助サービスの利用料金は、障害者福祉サービスの一環に含まれますので、原則的に1割負担です。しかし、その他の費用は各々の施設によって異なります。家賃はどこのグループホームでも発生しますが、水道光熱費や食費、日用品などの費用は個人が使った分だけ支払う場合もありますし、最初から一定額の支払いが決められているケースも少なくありません。
また、食事は基本的に自炊という場所もありますし、世話人などが提供してくれることもあるので、自分の希望や生活スタイルに合ったホームを選ぶことが大切です。
また一例として、とあるグループホームの費用の目安を以下にご紹介します。
仮名・コーポみどり(1ヶ月あたり)
精神障害者グループホーム 定員9名 ワンルームアパート(バストイレ付)
医療法人が経営しており、生活保護受給者の入所も可
- 家賃:5万円
- 光熱費:使用した分だけ支払う
- 食費:原則的に自炊だが、希望者は1食300円~500円で食べることが可能(世話人が作ったり、仕出し弁当などの食事)
- 日用品などその他:個人で支払う
共同生活援助の利用と障害年金の受給は併用できる?

共同生活援助のサービスを利用している方の中には、私費や老齢年金で生活している方、障害者施設などで工賃や給料を得ている方など、様々な背景を持った人がいます。また、精神障害や知的障害、身体障害を抱えている方は個人の症状や程度により、働くことに制限があるケースもめずらしくありません。
このような方は、障害年金などを受給しながらホームでの生活を送っています。そのため、障害年金を受給しているからと言って、共同生活援助のサービスが利用できないということはありませんので、安心してください。
共同生活援助サービス利用の注意点
共同生活援助のサービスを利用する際には、次のような点に注意しておきましょう。これらを忘れていると、入居までに手間がかかったり、将来設計に問題が生じる場合があります。
1. 入居するには障害者の証明が必要となる
グループホームに入居するには、希望者の障害の程度がどのぐらいなのかを確認できるものが必要です。
障害者手帳または障害福祉サービス受給者証で証明をします。
障害者手帳を持っていない場合は入居申し込みをする前に、自治体に障害者手帳の交付されている必要があります。
障害福祉サービス受給者証は発行見込みで大丈夫です。
障害者手帳を申請した後、実際に手帳が交付されるまで1か月程度かかりますので、余裕を持っての手続きをおすすめします。
2.ホームによっては入居期間が定められているケースも
グループホームは、原則的に入居期間は無期限です。しかし、ホームによっては入居期間を決めていることもあります。精神障害者のグループホームは、滞在型と通過型に分かれるケースがあり、通過型の施設だと3年間の利用になりますので、入居の前には入居期間についてもしっかりと確認しておきましょう。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
- 社会保険労務士・精神保健福祉士
