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精神障害者保健福祉手帳の仕組みと特徴
公開日:2026/07/03
  最終更新日:2026/07/03

誰でも取得できる? 精神障害者保健福祉手帳の仕組みと特徴を知る

精神障害者保健福祉手帳を持っていることで、利用できるサービス

精神障害者保健福祉手帳を持っていると、日常生活を送るために役立つ福祉サービスを利用することができます。主に利用できるサービスを、以下にお伝えします。

所得税・住民税・相続税・自動車税の控除

手帳の等級が1級の場合

障害者手帳による控除_自動車税
手帳の等級が1級で本人の収入がある方は、所得から所得税では40万円、住民税では30万円が控除されます。
収入がない場合は、所得税・住民税は課税対象ではありません。

また、相続税は障害者控除として、85歳までの年数✕20万円(一般障害者は10万円)が控除されます。
現在が50歳であれば、20万円×35年=700万円ということになります。

さらに、1級の方は自動車税も減免の対象です。ご本人が運転しなくても、生計を同一とするご家族が、障害当事者の通院・通学・通所などのために運転する自家用車であれば、対象となります。

手帳の等級が2級~3級の場合

一方、手帳が2級と3級で収入がある方は、所得から27万円、住民税では26万円が控除されます。
収入がない場合は、所得税・住民税は課税対象ではありません。

相続税は、本人が85歳になるまでの年数1年間につき10万円が控除対象となっています。
現在が50歳であれば、10万円×35年=350万円ということになります。

公共交通機関の運賃の割引

障害者手帳による減免_運賃
自治体によって割引額の違いや適用の有無は異なりますが、電車やバスなどを割引金額で利用することが可能です。
タクシーも事業者によっては、割引が行われます。

公共料金の割引

NHKの受信料金の免除が適用されます。
ほかにも、自治体によって異なりますが、水道料金などの割引がなされている場所もあります。

公共施設の利用料の割引

美術館や博物館などでは、入場料金等に障害者割引が設定されていることがあります。

携帯電話の基本料金の割引

携帯電話料金の割引
障害者手帳を持つ本人の名義の携帯電話の基本料金が割引となります。
ただ、携帯電話会社によって割引額や適用の有無が異なりますので、事前に確認をしておくとよいでしょう。

ここでは、障害者ご本人への控除・減免・割引を基本としたものをご紹介しました。
所得控除などは一定の条件がありますが、障害者本人と生計を一緒にする家族がいる場合には、さらに控除額が大きくなるケースも存在します。

精神障害者保健福祉手帳を取得するには

精神障害者保健福祉手帳の対象者

精神障害の診断名が出る=即発行とはならない

精神障害者保健福祉手帳を申請するには、当然、精神障害を持っていることが条件となります。
ただ、精神障害の診断名が出ているというだけでは申請は通りません。
手帳を取得するには、心身の不調により初めて医療機関を受診した日(初診日)より、6か月以上が経過している必要があります。
そのため、初診日から短い期間のうちは精神障害者保健福祉手帳を申請する条件に該当しません。

手帳を申請するには、原則的に障害の状態が継続していることがポイントとなります。障害とは、一定期間治療などを受けたけれども、特定の症状が消滅せずに固定して残ってしまった状態を意味します。つまり、「障害の状態であること」を客観的に証明するためには、ある程度の期間を経ることが重要なのです。

さらに、障害の影響によって日常生活を送るうえで、どの程度困難なことが多いかなどの基準にも照らし合わせて判断されます。

手帳の取得には傷病名も重要となる

初診日など以外にも、精神障害者保健福祉手帳を申請するには、以下のICD(WHO・世界保健機構が定めた規定)に定められた、次のような傷病名に当てはまっている必要があります。
障害年金と比較すると、対象となる疾患の幅が広いです。

  1. 統合失調症
  2. うつ病や躁うつ病(双極性障害)などの気分障害
  3. てんかん
  4. 薬物やアルコールによる急性中毒・またはその依存症
  5. 高次脳機能障害
  6. ADHD(注意欠陥性多動性障害)や自閉症、学習障害などの発達障害
  7. ストレス関連障害などのその他の精神疾患

また、知的障害と上記の精神障害を併せ持つ場合も、精神障害者保健福祉手帳を受け取ることができます。

障害年金の対象となる精神の障害

精神障害者保健福祉手帳の申請手順

精神障害者保健福祉手帳の交付申請手順

主治医への相談
主治医に精神障害者保健福祉手帳用の診断書を依頼します。
各自治体が書式を用意していますので、所定の書式を使用する必要がありますので、必ず精神障害者保健福祉手帳用のものを用意してください。
窓口での配布のほかに、ダウンロードファイルを用意している自治体もあります。
障害年金を受け取っている場合は、年金証書の写しを提出することで、診断書の提出は不要となります
診断書の発行
医師から診断書の発行を受けます。記入項目が多いため、即日発行されないことも大いにあり得ます。なにか利用予定がある場合は日程に余裕を持って依頼しておきましょう。
窓口等での申請
顔写真など、ほかの書類も揃えて、窓口に申請書類一式を提出します。
自治体によっては、郵送での申請も受け付けています。
審査
申請してもすぐに交付はされません。審査があるため、多くの場合、1か月以上の期間を要します。長くかかるケースだと3か月を超えることもありますのでご注意ください。
交付
無事、審査を通れば手帳が交付されます。

精神障害者保健福祉手帳の等級と障害年金との関係について

精神障害者保健福祉手帳には、1級から3級の等級があり、障害年金にも1級から3級の等級が存在します。
どちらも等級が大きいほど障害の程度が軽く、小さいほど程度が重くなります。つまり、軽い順に並べると、3級→2級→1級となることを覚えておきましょう。

精神障害者保健福祉手帳と障害年金は診断書に共通項目も多いため、手帳が2級である場合、障害年金も2級以上で認定されることが多いです。
ただし、これはあくまで傾向であり、必ずしも一致するとは限りません。手帳は2級だけれど、障害年金は不支給ということもありえますので、その点はご注意ください。

障害者手帳2級なら、障害年金2級をもらえますか?

さらに、精神障害者保健福祉手帳の2級以上と障害年金の2級以上を持っていると、生活保護を受給するようになった際に、20,000円程度の障害者加算が付きます。
こちらは、自治体によって加算の金額は異なりますが、およそ15,000円から25,000円ほどです。
もしもの時のために、このことも知っておくといいかもしれません。

社会保険労務士・精神保健福祉士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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