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障害年金とは

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公開日:2020/07/10 最終更新日:2020/08/24

社会的治癒とはどういうもの? 知っておきたい基準について

社会的治癒(会社員の社会復帰)

社会的治癒とは

社会的治癒とは、いったん症状が軽快したあとに以前と同じ疾患が再び生じても、社会生活を行うのに問題なく過ごせていた期間が一定以上あれば、治癒したと見なし、再発した後の症状は別だとする考え方のことです。
この「治癒」は医学的な視点から治癒してるというものではなく、社会保険上の視点から判断されるものとなっています。

社会保険の運用上、傷病が医学的には治癒に至っていない場合でも、予防的医療を除き、その傷病について医療を行う必要がなくなり、相当の期間、通常の勤務に服している場合には、「社会的治癒」を認め、治癒と同様に扱い、再度新たな傷病を発病したものとして取り扱うことが許されるものとされており、当審査会もこれを是認している

平成26年(厚)第892号 平成27年9月30日裁決

社会的治癒が認められる条件とは

通院・服薬をしていなかったからといって、即社会的治癒の援用がが認められるわけではありません。
社会的治癒だと判断されるには、以下のような条件を満たす必要があります。

病気などの治療を行う必要がない状態になったこと

社会的治癒だと判断されるには、病気などの治療を行う必要がない状態になったことを証明する必要があります。
医学的な治療を行わずに、安定した社会生活を送ることのできる状況下にいる場合でも、医療機関に通院しておらず、薬物治療もしていない状態が続いていることが証明できないと社会的治癒は適用されません。

ただ、病気などの経過観察や予防に関するケアを医師の判断のもとで行っている場合は、社会的治癒と認められるケースもあると言われています。

一定期間、社会生活を問題なく行っていたこと

就労していたり、家事などがスムーズに行われており、社会生活に支障をきたさない状態が一定期間続いている場合も、社会的治癒が認められます。
また、外見上において自身も他者も、病気などが回復したと見て取れる状態であることもポイントです。

さらに、社会的治癒は、上記の状態がおおむね5年以上続いていることで認められます。病気などによっては、5年未満でも可能とされるケースもありますが、精神疾患の場合は病態に波があることから、短い期間での例はあまりありません。

社会的治癒のイメージ

社会的治癒を証明したい時に揃える書類について

社会的治癒の条件に当てはまったとしても、実際に社会的治癒を認めてもらうためには、客観的な証明が必要となります。社会的治癒を証明する際の書類としては、以下のようなものがあります。

医師の診断書

社会的治癒の基本としては、医師の治療が必要ない状態が続いているかどうかということです。そのため、それを証明するために医師が作成した診断書の存在が重要となります。

障害年金の申請には規定の診断書が必須です。
医師に診断書を書いてもらう際に、過去に病気などの治療をしていけれども、それが寛解し、治療を行わないでもよい期間が続いたことなどを明確に記載してもらうといいでしょう。
例えば、過去の通院から再発後の通院まで5年以上空いていること、その理由が病態の寛解・軽快であることが示されていると、効果的だといえます。

病歴・就労状況等申立書

医師の診断書のほかに、病歴・就労状況等申立書という本人自身が記載する書類の提出も求められます。
これには、傷病名や初診日、就労状況、発病から現在に至るまでの経過などを記入しなければなりません。

特に、発病から現在に至るまでの経過は、詳しく書く必要があります。この部分の表現のしかたによって、治療を受けていなかった時期が一定期間あったかなどの判断が左右されることも多いとされています。
そのためには、病状の統合性が出るように、可能な限り主治医と相談しながら、進めていくのがよいでしょう。

資格証明書や表彰状、長期旅行の写真など

難易度の高い資格の取得や、社内での表彰、海外旅行など、状態が悪ければ困難であったと思われるできごとを証明できる資料があれば、これも提出しましょう。
可能であれば複数用意することが望ましいです。

給与による証明

同一の勤務先に就労継続を継続しており、標準報酬月額は昇級があり、賞与も支給されていたことから、社会的治癒が適用されたケースもありました。
この場合、給与が支払われ続けている、雇用が続いているというだけではなく、意欲的に働いていたと推察できる昇給・賞与の支給があったことが大きかったと考えられます。

社会的治癒を証明することにおけるメリット

社会的治癒を証明するためには書類などの提出を必要とし、時間も要するため、デメリット面ばかりを感じる方もいることでしょう。
しかし、個人の状態によっては、障害年金を申請する際に、大きなメリットとなることも多いのです。

初診日に年金保険料の支払いが十分でなかった場合

以前の病気などの初診時に、国民年金保険料を納めていなかったり、支払いが不十分だった場合は、障害年金を申請することができないケースがあります。なぜなら、障害年金を申請するには、国民年金などの社会保険料を一定額以上支払っていることが要件となっているからです。
関連記事:障害年金受給に重要な年金の納付要件

しかし、社会的治癒が認められれば、以前の病気と再発後の病気は別のものと捉えられるので、再発後の初診日が適用されます。その際に、年金保険料の支払い要件を満たしていれば、スムーズに障害年金の申請をすることが可能です。

初診日には国民年金だったが、社会的治癒後に厚生年金に加入している場合

社会的治癒(基礎→厚生)
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生(共済)年金があります。障害基礎年金は初診日に国民年金加入者が対象となりますが、障害厚生年金は、厚生年金加入者が受給の対象です。
原則的に、障害厚生年金は障害基礎年金よりも受給額が高くなります。そのため、以前の病気などの時点では国民年金加入だったために障害基礎年金受給の対象となっていたとしても、再発後に厚生年金加入に変化していた場合は、社会的治癒を証明することで、再発後を初診日とすることができますので、障害厚生年金を受給できる可能性が開けます。

社会的治癒の証明が困難なケースも存在する

社会的治癒を証明できれば、メリットが多い結果になる方が増えるのは事実ですが、個人の状態によっては、その証明が難しい場合もあります。
例えば、専業主婦や主夫の方は、就労していた事実がないこともあり、どこを基準に社会的治癒の状態にあったかを示すことに、時間を要するケースが考えられるからです。
社会的治癒とは、「第三者から見ても寛解していたと推察できる状態」がポイントとなるため、家事ができず、日常生活を送ることに支障が出ていたということを、明確に医師に伝え、理解してもらうことが大切です。

ただし、自力で書類を揃えたり、医師と協力しながら進めて行くのは、大変な労力が伴います。さらに、せっかく書類などを提出しても、社会的治癒が認められない結果となることも否めません。

このような一連の作業は複雑になる可能性も高いため、少しでもストレスなく手続きをするためには、社会保険労務士などの専門家に相談してみることをおすすめします。当事務所の場合は、医師との診察に同席したり、書類作成の代行なども行います。

社会保険労務士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
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