横浜オフィスの黒川です。
今回は、障害厚生年金と障害基礎年金の同時請求で、主位的請求である、社会的治癒を援用した障害厚生年金で受給が決定した事例です。
ご依頼者は、東京都のA様です。ご自身で厚生年金加入期間を初診日として請求されたのですが、「初診日が認められない」却下されたとのご連絡で、受任しました。
申立てを行った初診日以前に、数件の精神科の受診記録があることが確認できましたので、それが却下の理由と考えられました。
診断書の内容や就労状況などは2級相当でした。
記録を確認し、社会的治癒の援用での再請求以外にも、不服申立ての可能性が視野にあったのですが・・・
却下の通知により、ご本人様が年金事務所等にご相談され基礎になる可能性を指摘され、申立て時期の前医から受診状況等証明書を取り寄せていました。
病歴・就労状況等申立書の発症時期や内容などからも、不服申立ては難しいと判断しました。
そこで、年金記録の標準報酬月額(昇給)及び賞与額などから(通常はこちらの内容から不支給や下位等級になる)、社会的治癒を証明することにしました。
また、ご本人から詳しくお話しをお伺いしたところ、途中のクリニックでは、精神疾患が主でなく胃腸での治療とのことでしたので、受証を取りよせ(この間の治療は精神でなく、逆流性食道炎)社会的治癒の証明書に添付いたしました。
審査により、初診日が前医(基礎年金の時期)となった場合にも備えました。基礎の初診日がかなり古く、「◯才頃の受診」といった確実な日付がなかったため、「〇才から〇才の前々日まで」を初診日とした場合の申立書も添付しました。
必ずどちらかで受給できるように、万全を期して同時請求させていただきました。
結果、厚生年金で認められました。
これで、前回却下となった初診日が認められなかった診断書で、あとから認定日での請求を行うことも可能となりました。
今回の請求では以下の3種類の申立書を添付しました。
- 障害厚生と障害基礎の同時請求による申立て
- (主位的請求を厚生年金、予備的請求を基礎年金)
- 主位的請求に「社会的治癒に関する申立書」
- 予備的請求に「初診日に関する申立書」
病歴・就労状況等申立書に関しましては、あくまでも、社会的治癒を想定した内容としました。
今回、ご依頼様にとって有利な方での決定となり、私も本当にうれしく思いました。
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター
