横浜オフィスの黒川です。
9/9に社労士会の支部研修で「離職防止に役立つ多様性社会での人付き合い術」サブタイトル~閉鎖空間での人付き合い術は262の法則から~というテーマの話を聞いて参りました。
講師は、マスメディアでも有名な篠原洋一氏(南極の料理人/和食調理人)でした。
篠原氏は料理人で、豪華客船「飛鳥」に14年間乗船し和食の責任者となり、世界9周、約70カ国、200都市めぐられた方です。その前後に2度、南極観測隊として参加し
隊員の食事を用意された方でもあります。
特別なテキストはございませんでしたが、初めは間近で見られるコウテイペンギンの行進や海外の風景、南極の美しいオーロラなどがスクリーンに広がり、ワクワクさせられる冒険のお話でした。
客船内での和食の責任者として、人種の違う多様性メンバー間でのもめごとなどについて、どのように過ごされてきたかなどの貴重なお話を伺いました。
その時にお話しされたのが、「262の法則」です。
「262の法則」とは、どのような集団においても、上位2割の「優秀な人」、中間6割の「平均的な人」、下位2割の「パフォーマンスが低い人」に分かれるという経験則です。この比率は集団の構成員が変わっても保たれる傾向があり、組織の人材育成やマネジメントで活用されるそうです。
法則のポイント
比率は固定される:仮に下位2割を排除しても、しばらくすると再び同じ比率に落ち着くという特性があります。
したがって、あるがままを受け入れるということだそうです。
マネジメントの活用
組織全体のパフォーマンスを向上させるために、上位2割のハイパフォーマーをさらに伸ばす、中間層の6割の育成に注力する、下位層をどう扱うか検討するといったマネジメント戦略に役立てられます。
また、「262の法則」を人間関係に当てはめれば「自分の周囲にいる人の2割は私のことが好き。6割はどちらでもない、2割は私のことが嫌い」ということになる。
このうち「私のことが嫌いな2割」ばかり気になって、人間関係に悩んでしまう人がいる。これではストレスがたまるばかりだ。苦手な人、そりの合わない人に対して「嫌われたくない」、「上手く付き合いたい」と気を揉むのではなく、「もともと私のことが嫌いな2割なのだ」と、ある意味で開き直ることが必要なのだそうです。
南極観測隊でのお話は、常に危険な死と隣合わせの閉鎖された空間の中では、皆「生きて帰る」という目標に向かって協力しなければならない。たとえ多少気が合わない人でも、1人1人の協力が大切であり、いじめなどは起こりえないということ。
お話の一言、一言が納得のいくものであり、スケールの大きさを感じさせられました。
私は些細なことで、悩んだり気分が落ちることが続くことがありますが、篠原氏の話をお聞きして活力が沸いてくるのを感じました。
その他にも、昭和基地内の閉鎖された空間で、メンタルを健康に保つために工夫された食事やシフトチェンジのお話など、また、地球温暖化により自然の法則など、休憩なし一気にお話いただきました。
多くをご経験された実体験に基づくお話は、大変心に残るものとなりました。
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター
