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社会保険労務士・精神保健福祉士の小西です。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士
事例の概要
先日、厚生労働省年金局事業管理課から、「保険者(国)が(障害状態1級または2級に該当しないとして)不支給とした決定を変更し、障害基礎年金2級の支給と認める」旨の(保険者による処分変更)連絡がありました。
ご依頼者は通院している医療機関所属の精神保健福祉士による支援を受け、ご自身で障害基礎年金を請求したものの、「傷病名が神経症圏の『全般性不安障害(F41.1)』であること」「精神病の病態を示していないこと」、を理由に不支給と裁定されました。
神経症(F4)を主たる傷病名としている場合、どれほど症状が重くても障害年金の対象にはなりません。
しかし、神経症の中でも全般性不安障害などは、うつ病や気分変調症といった気分(感情)障害(F3)を併発していることが少なくありません。
ご依頼者に確認したところ、実際に気分変調症(F34)の診断も受けていることが分かりました。
気分変調症(F34)は障害年金の認定対象となる傷病です。そのため、気分変調症としての障害状態を医学的に適切に証明できれば、今回の不支給決定を覆せる可能性が高いと判断しました。
当社の対応

全般性不安障害が精神病の病態を示している(全般性不安障害に伴い、気分変調症の症状も認めている)ことを証明するため、「医師の意見書」を作成し、主治医へ記入をお願いしました。
処分取り消しにより障害基礎年金2級に決定
一審の社会保険審査官による審査請求は棄却となったものの、ニ審の再審査請求では、原処分(不支給)が取り消され、障害基礎年金2級が決定しました。
神経症は原則として障害年金の対象外ではありますが例外もあり、今回のように主治医の理解、協力があれば障害年金を受け取れる可能性があります。
よろしければ、次の記事を参考にしてみてください。
神経症でも障害年金の対象になる「精神病の病態」とは
