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未支給年金の請求事例
公開日:2026/10/28
  最終更新日:2026/10/28

未支給年金の請求事例

未支給年金とは?

社会保険労務士・社会福祉士の海原です。
未支給年金とは、年金を受け取っていた方や、年金を受け取る権利があった方が亡くなられた際に、まだ支払われていない年金を、一定の要件を満たすご遺族が請求できる制度です。
請求できるのは、亡くなられた方と「生計を同じくしていた」ご遺族で、次のように優先順位が定められています。

  1. 配偶者
  2. 子
  3. 父母
  4. 孫
  5. 祖父母
  6. 兄弟姉妹
  7. その他の3親等内の親族

先順位者がいる場合には、後順位者は受け取ることができません。
また、「生計を同じくしていた」かどうかは、必ずしも同居していることが条件ではなく、別居していても、経済的な援助や定期的な交流などの状況によって総合的に判断されます。

今回は、実際に当事務所で対応した未支給年金の請求事例をご紹介します。

障害年金の請求後にご本人が逝去

入院中のAさんの障害厚生年金の請求について、息子のBさんを窓口として手続きをお手伝いしていました。
請求手続きが完了してから約3か月後、Aさんが亡くなられたとの連絡がありました。
その後、請求先の共済組合に確認したところ、Aさんの障害年金はすでに支給決定していることが分かりました。
Aさんには配偶者がいなかったため、息子のBさんが未支給年金を受け取れる可能性があると考え、請求手続きを進めることになりました。

難航した「生計同一関係」の証明

今回の手続きで難航したのは、AさんとBさんが「生計を同じくしていた」ことの証明でした。
入院前のAさんは一人暮らしをしており、Bさんは別世帯で生活していたため、住民票上の住所も異なっていました。
その場合、「生計同一関係に関する申立書」を提出する必要があり、申立書には第三者による証明欄の記入も必須となります。
しかし、入院前にBさんが食品や日用品を届けていたことや、電話などで定期的に連絡を取り合っていた事実について、第三者に証明してもらうのは難しい状況でした。
入院後は、2か月に1回の面会のみ行っていたため、その事実を病院関係者に証明してもらい、申立書を提出しました。
ところが、面会の事実だけでは生計同一関係を認めることが難しいとして、請求先から返戻がありました。

申立書の追記を経て、無事に支給決定へ

当初提出した申立書には、経済的援助等の状況は「入院後」のものであることを補足していました。
その記載が考慮されたかどうかは分かりませんが、返戻時には、「入院前の経済的援助についても記載してほしい」との具体的な案内がありました。
そこで、Bさんに入院前の状況を追記してもらい、再提出したところ、無事に未支給年金の支給が決定しました。

ただし、今回のように、不足している情報を補足する機会をいただけるケースは、決して多くないと思われます。
また、請求先によって対応が異なる場合もあります。
いずれにせよ、別居している場合の生計同一関係の証明については、事前に生活状況や経済的な援助の有無・内容などを丁寧に聞き取り、必要な情報を整理しておくことが重要だと改めて感じました。

社会保険労務士・社会福祉士 海原
海原
さがみ社会保険労務士法人
社会保険労務士・社会福祉士

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